二人の画家

小説を読むときは、登場人物のイメージをつくってから読みます。

でも、韓国人の人名って、日本人には女性なのか男性なのかすぐには分からなかったりするので、途中で反対だと分かったりするとイメージを修正するのに苦労したりします。


それと少し似ているのが、小説に登場する有名人のイメージを変えてしまうこと。

以前、読書会で扱った「原州通信」では、朴景利(パク・キョンニ)作家と朴婉緒(パク・ワンソ)作家を間違えてイメージしていたという人が二人もいたのに驚きました。


私の読書経験でそれか起こったのが、朴婉緒作家の小説「裸木」でした。

明洞にある新世界デパートが米軍のPXだった時代、朴婉緒作家が肖像画部で働いていた時の経験をもとにして書いた小説で、韓国の有名な画家である朴寿根(パク・スグン)氏をモデルにした「オク・ヒド」という人が登場します。

若い日の朴婉緒作家をモデルにした主人公は、同年代の男友達と、年が離れて妻子もいるオク・ヒドさんの間で揺れ動きます。

ところで、小説を読む私の頭の中では、オク・ヒドさんが朴寿根画伯ではなく、同じく画家の李仲燮(イ・ジュンソプ)氏の顔で現れるのです。

なぜかというと、この二人の画家の写真を見た私の中でのイメージは、朴寿根氏はカタブツのおじいさん、そして李仲燮氏は女の子に人気のある芸術家なんです。

朴寿根氏(左)と李仲燮氏(右)


もちろん、それは私の中でのイメージに過ぎず、李仲燮画伯は家族を愛した画家として有名ですが。

まあ、小説には顔は重要ではないので、最後まで李仲燮画伯を思い浮かべながら読んでしまいました。


ちなみに、私は李仲燮画伯の写真を見るたびに「男の私が見てもかっこいいおじさんだよなあ」と思うんですが、女性たちに聞いてみたところ、別にかっこよくは思わないそうですね。

ある人は「セサミストリートのカウント伯爵みたい」といってましたが…。

(ま)

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